絶望


巣から落ちた子は戻れない

大きく育つ僅かな誤り




受容しきれぬ感情の大群

それらが作る

期限付きの空白




上を見れば何が見える

数え切れないたくさんのもの

手を伸ばせばすぐに掴めた

数え切れないたくさんのもの




全てが逆光の中で

遥か遠くへ逃げていく




前を見据えれば何が見える

今という現実だけ

時の流れを恐ろしいほど実感する

今という現実だけ




太陽が沈む 太陽が沈む

黒い顎が開かれ始める




飛べない翼

不器用な足

足掻く余地に比例して

闇は深く 闇は深く




孤独を超えた瞬間




巣から落ちた子は戻れない

そしてそこで果てていく




さようなら世界