夜


日が沈むと全てが黒に染まり出す

ほこりっぽい道路も

錆びた鉄の鈍い光も

全てがひとつの色へ




周りが見えない恐怖感

周りを見せない安心感




そっと手を伸ばして

そこで何かに触れたなら

多分それはひとつの星

不安の中を漂いながら

静かに騒ぎ続けている

多分それはひとつの星




目を開くなら空の星々に

目を閉じるなら自らの星々に

ほんの些細な物語を

語って聞かせよう




暗闇に隠されたのではなく

暗闇に溶け込んでいるモノについて




夜は全てを包み

少しの間 人も夜に帰って

月と共に眺めている

一色だけの世界の美しさを