紫煙


日に日に、ここの空気は薄くなっていく

吸っても吸っても酸素が足りない

眠っている間に窒息してしまうのではないかと

毎晩、心配になるほどに




だけど、本当は、本当はさ

ただ、それを待ち望んでいるだけなんだ




いつからか、なんて答えられないけれど

いつまでも、と答えることはできる




結局は何も残っていない過去だったり

ずっと空っぽなばかりの今だったり

その辺に転がってそうな未来だったり




「信じる」なんて言葉

既に使えなくなっていたはずなのに

何もかも全て

煙と一緒に吐き出せると思っていた




哀れっていうのは

きっとこういうことを言うんだろう




仄かな光と崩れる葉音

風が去った後に残っているのは

寂びていく自分だけ