夏から秋の散歩


静かな朝日の中

安心して疲れ切っている

そんな緑の葉を見つけた




その傍らの砂利道に

笑いながら駆けていった少年たちの姿はなく

木々ばかりがざわめく




見通しの悪い曲がり角

カーブミラーに映るのが自分だと気付かずに

相手を待って立ち止まっていた




近くの小さな川で

人の姿を見つけたコイは

何かを求めて今日も天を仰ぐ




電灯の点き始めた小道

人の声は聞こえず

同じような家々からテレビの音が漏れてくる




太陽は赤くなり

長く伸びていく影

誰もいない公園でブランコが揺れていた




はっきり見えない月に向かって

小さな雀が無心に飛び立っていく




空は黒く

月は黄色く

町は赤く

道は青く




遅く生まれた油蝉が

夜になってからもないている

仲間を呼んで

一人ぼっちでないている