かつて


空っぽな空間に乾いた音が響いている

緑を無くした草原にあるのは風ばかり

水が降れば留まることなく

奥へ奥へと流れ去る

いつまでも

どこまでも

変わらない風景

足跡は一日経てばどこかへと消えてしまう




ここで何をしている?

探している

何を?

意味を

何の?




足元にあるはずだった

かつて

見えていたものがあるはずだった

埋まってしまったものが

埋めてしまったものが




掘ってみた

深く

深く

光が届かなくなるまで掘ってみた

変わらない

何も

変わらない




遅すぎた?

違う

この景色は最初から決まっていたから




一番求めていたもの

一体何だったんだろう?




疑問を覆うかのように

頭上から降ってきた黒い塊が

自分を埋めた