訪れる冬の風


すかすかになった胸の内

僕は懐を探る

訳の分からない寂しさに

僕は懐を探る




からりとした風が

小枝の上で飛び跳ねる

乾いていてもしなやかに




限りを知らなかったあの頃が

僕の右手を引く

おいていかないでよと

僕の右手を引く




からりとした風が

小枝の上で飛び跳ねる

凍えていても軽やかに